不安がここ一番の力を出す

恐怖心や不安な気持ちは、弱い人間を表す言葉のように思われていますが、
それはめちゃくちゃ自信のある人でも持っているものです。
むしろ大昔から人類が生きのびていくために欠かせなかった、大切な能力です。

私たちの祖先が狩りをしながら育った時代、
森の中でばったりと猛獣に出会ったとします。
そんな時は考える間もなく不安や恐怖心でいっぱいになります。
その『不安』に刺激されて、即座に「逃げるか、戦うか」の行動をとります。

具体的に言えば、アドレナリンがどっと出て、心臓はドキドキし、血圧は上がって、
顔は赤くなり、筋肉は緊張し、手足の裏はジットリと汗ばみ、胃腸の働きは抑えられます。

ちなみに、医学的にはドキドキは血液をさかんに流して激しい運動を可能にするため、筋肉の緊張も瞬発力を出すため、
ほどよく手足の裏が汗ばむのは戦ったり走ったりするときすべらないように。
つまり、『不安』が発動することで、体はストレス状態に置かれ、ここ一番の力を発揮できるのです。

こんなときにドキドキもなく「ほな、どないしよう」などと冷静に考えていたらどうなるでしょうか?
すぐさま襲われてしまいます。

不安を感じない人間は生き残れないのです。
恐怖や不安を感じる能力は、自分の身を守るために非常に大切なものです。
上手に利用すればいいのであって、決して否定すべきものではありません。
ましてや、「弱虫」と同じ意味の言葉ではないことを知ってほしいのです。

中学生の日常の危機というと、やっぱり高校受験でしょう。
たとえば、こんな感じ。
学校の先生にプレッシャーをかけられた。「君、このままの成績やったら●●高校は合格できへんで。しっかりやらな。」
当然不安になります。

さらに模擬試験の結果や定期テストの成績が思うように取れていなければ、恐怖に変わるかもしれない。
すると体はどうなるか。
「戦うか、逃げるか」というストレス状態に置かれます。

では、学校の先生に反抗するか?
「志望校を下げてしまおう」と逃げ出すか?

そんなわけにもいきません。
体が感じた緊急事態、つまり「不安」が行動によって解除されていないから、
ストレスがたまりにたまって胃に穴があいたりする。

ストレスを運動で解消しようとする人もいるでしょうが、これは根本的な解決になりません。
テスト結果や学校に行けば同じストレスがあるのだから。

不安や恐れを、自分の中でエネルギーに変えていくことができればよいのです。
逃げるか戦うかではなく、「先生にこれだけいわれたんやから、ぼけーっとしてられへんで」と、机に向かったり、
塾の自習室にきて勉強を始めるなり、質問をして解決するなど、目標に向かって行動を起こせばそれでよいのです。

もともと「不安」はここ一番の力を発揮するためにあるもの。
現代社会では多くの人がこの「不安」をうまく使いこなせていないだけなのです。

だから、目標を前にした不安を不安がることはないし、失敗するのではという恐れを怖がることはない。
不安を感じたときに「大丈夫、大丈夫」と無理やり言い聞かせて不安になっている自分を否定するのではなく、
「何が不安なのか」ときちんと意識して、その事態に備えておくほうがよいのです。

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